いくらの旬はいつ?特産地によって異なる旬の季節や美味しい食べ方を紹介
独特の食感と濃厚な味わいで大人気の食材であるいくら。
1年中楽しめるという印象の強い食材ですが、いくらにも旬の時期があるのか気になる方もいらっしゃいますよね。
そこで、この記事ではいくらの旬や特産地について解説していきます。美味しいいくらを楽しみたいという方必見の内容です。
いくらのの基礎知識と旬について
いくらは鮭の卵であり、旬の季節は鮭の産卵時期と重なります。いくらの基本知識と旬の季節について確認していきましょう。
いくらの基本知識を紹介
「いくら」という言葉は日本語由来のものではなく、実はロシア語に語源があります。ロシアでは鮭の卵のことを「イークラー」と呼んでおり、この言葉から日本では鮭の卵のことをいくらと呼ぶようになりました。
日本でいくらは寿司ネタとしてはもちろん、家庭料理としても人気を集めており、ご飯やパスタにのせたり、お酒のおつまみにしたりと様々な方法で食べられています。
その塩辛さが人気の理由の1つで、大人だけでなく子供にもいくら好きの人は多いですよね。
また、いくらは海外でも大人気。
寿司ネタとして欧州やアメリカで注目を集めており、高級食材としてスーパーにも並ぶこともあるそうです。人工のいくらが開発され始めるなど、今後ますますいくらの人気は高まることが予想されます。
いくらの旬はいつ?
それでは旬のいくらはいつ頃楽しむことができるのでしょうか?
鮭は川で生まれた後、稚魚に成長した後数年にわたって外海を周遊した後生まれ故郷に戻ってきて、卵を産む習性があります。
春から初夏にかけて鮭が水揚げされることもあるのですが、この時期は産卵期ではないためいくらを楽しむことができません。鮭が産卵する時期は秋となっており、いくらの旬は9月~11月です。
また、いくらの旬は地域によって若干異なるという点も押さえておきたいポイント。日本一のいくらの産地である北海道では8月下旬くらいから鮭の収穫がスタートし、9月から旬のいくらを楽しむことができます。
一方で、北海道に次ぐいくらの産地である宮城県や新潟県では、旬のいくらを楽しめる期間が10月下旬頃からとなっていることが多く、北海道よりも遅くなっています。
もちろん、スーパーや寿司屋に行けば1年中いくらを購入することができますが、旬のいくらは新鮮で、味も濃厚。プリプリの食感を楽しめるのも旬のいくらならではの魅力ですよね。
いくらの産地を紹介!旬のいくらはどこで収穫される?
日本で有名ないくらの産地は複数あり、それぞれの地域でいくらを楽しめる時期などが異なります。
ここでは、特に有名な北海道、宮城県、新潟県のいくらの収穫についてみていきましょう。
①いくらの産地:北海道
いくらの産地として一番最初に思い浮かぶのが北海道という方は多いのではないでしょうか?
北海道は日本で最大のいくらの収穫量を誇り、生まれた川へ戻ってくる鮭を海に仕掛けた大型の定置網で捕まえます。
8月頃から水揚げが始まる地域もありますが、水揚げのピークは9月と10月。この時期に漁獲される鮭は「秋鮭」と呼ばれ、北海道全域で漁が行われます。
また、北海道のいくらは濃厚な旨みを存分に楽しめるという点が大きな特徴。これは水揚げ直後の新鮮な魚卵を原料にしているため生臭さがないことが関係しており、人気の理由の1つとなっています。
9月下旬~10月中旬のいくらの味や食感のバランスが抜群と好評のため、旬の北海道のいくらを楽しみたいという方は、この季節に試してみてはいかがでしょうか。
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②いくらの産地:宮城県
宮城県のいくらは北海道と比較して漁獲される季節が遅く、10月下旬~12月下旬の期間で旬のいくらを楽しむことができます。
宮城県と同じ東北地方では他にも、岩手県のいくらが有名となっており、三陸産いくらは1つのブランドです。
通販などでも三陸産いくらを食べることは可能ですが、おすすめは現地でいくら丼を楽しむ方法。宮城県の石巻市や亘理町は新鮮な海鮮丼を食べれることで有名で、毎年多くの観光客が訪れます。
東北地方を訪問した際には本場のいくら丼を楽しむために、少し足を伸ばしてみて下さい。
③いくらの産地:新潟県
新潟県のいくらも宮城県と同じく10月下旬頃から旬の時期を迎えます。特に鮭の漁獲が多く、鮭料理が楽しめると噂なのが村上市。
村上市では鮭のことを「イヨボヤ」と呼び、鮭の全てを無駄なく使い切るため、村上市の鮭料理は100種類を超えるとされています。
鮭料理を楽しむ目的で村上市を訪れる人も多く、その人気は圧倒的。加島屋などいくらの取り扱いで有名な会社もあり、新潟県は北海道や宮城県に次ぐいくらの産地となっています。
いくらの種類と旬のいくらの選び方
いくらの種類として、筋子やますこという名前を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
しかし、その違いについて説明できる方は少ないのではないでしょうか?そこでここではいくらの種類について説明し、併せていくらの選び方も解説します。
いくらと筋子の違い
いくらとは鮭の卵のことであり、卵巣から成熟卵を一粒ずつ分けたものです。
それに対して筋子とは卵巣膜に入った状態の未成熟の卵で、卵巣膜でつながった状態のもので、筋子から膜を取って、卵をバラバラにするといくらとなります。
一般的に筋子として出荷する場合は、いくらの粒が通常のものより小さめの場合が多く、食感もやわらか。それに対していくらは産卵間近な雌鮭の卵巣を使うので、卵は成熟しており、プリプリとした食感を楽しむことができます。
収穫時期に関しては筋子の方が早く、いくらの方が遅いため、時期によって食べ比べしてみるのもおすすめです。
いくらとますこの違い
いくらと筋子についてはどちらも同じ鮭の卵ですが、ますこは鱒(ます)という魚の卵のことを指し、いくらとは別物です。
いくらとますこを混同してしまうことが多い理由として、鮭と鱒の見た目が似ており、魚に詳しい人でなければ判別するのが難しい点や味が似ている点などが挙げられます。
値段に関してはいくらよりもますこの方が安価。いくらを楽しみたいけど、金額の高さが気になるという方はますこを試してみて下さい。
ちなみに、ロシアでは魚の卵を総称してイークラーと呼ぶため、いくらもますこも同じものという認識です。ロシア産のいくらにますこが混ざっているという噂もありますが、これは国による認識の違いもあるのかもしれませんね。
いくらの選び方を解説
いくらの選び方に関して重要になってくるポイントは漁獲時期です。
いくらの旬の時期は9~11月となっていますが、9月に漁獲されるものと11月に漁獲されるものは味や食感が異なります。
9月に漁獲されるいくらは皮が薄く本来備わっている味も薄い傾向にあります。また、卵も未熟なため筋子として出荷されることも少なくありません。それに対して10月~11月にかけて漁獲されるいくらは味が濃厚になっており、食感もプリプリになっていきます。
どちらが好きかは個人によって異なるため、いくらを選ぶ際は漁獲時期で選ぶようにしましょう。
旬のいくらの美味しい食べ方は?
旬のいくらは栄養素が多く含まれており、様々な食べ方で楽しまれています。ここではいくらに含まれいている栄養素やおすすめの食べ方を紹介します。
旬のいくらには多くの栄養素が含まれている
いくらは脂質が多いから食べるのを控えているという方もいるかもしれません。しかし、旬のいくらには健康に良い栄養素が豊富に含まれているのです。
いくらに含まれる栄養素として代表的なものは体内のコレステロール値を下げ、脂肪燃焼や健康維持の効果が期待できるDHAやEPA、アンチエイジングに効果のあるアスタキサンチン、美容効果があると噂のレシチンなどが挙げられます。
また、いくらはビタミンAやビタミンBなどが他の魚と比較して、多く含まれているのも特徴。美容や健康に気を遣っている方も存分に旬のいくらを楽しめるというのはうれしいポイントですよね。
旬のいくらの食べ方は醤油漬けがおすすめ!
実はいくら自体には味はありません。
水揚げされた後に塩漬けにしたり、醤油漬けにすることで多くの方が楽しんでいるいくらの味にります。筋子は塩漬けにすることが多いのですが、旬のいくらのおすすめの食べ方は醤油漬け。
いくらの醤油漬けはさっぱりとした味わいが特徴で、他の料理にも合わせやすいです。醤油漬けしたいくらをパスタや豆腐にのせたり、そのままご飯にのせて食べるのもいいですよね。
旬のいくらを食べる際には是非醤油漬けで楽しんでみて下さい。
旬のいくらを存分に楽しもう
この記事ではいくらの旬について解説してきました。
いくらの旬は9~11月となっており、北海道や三陸、新潟県が産地となっています。旬のいくらは味が濃厚で、食感もプリプリのため、是非上記の時期にいくらを楽しんでみて下さい。
この記事がいくらの旬について気になっている方の参考になれば幸いです。