柔らかい身と口に広がる旨味が特徴のにしん。
国産のにしんのほとんどは北海道で水揚げされており、中でも3~5月に水揚げされるものは”春にしん”として人気を集めています。
この記事では北海道におけるにしん漁の歴史や旬の時期、にしんを使った北海道の郷土料理などを徹底解説。
北海道のにしんについて知りたいという方は必見の内容です。
柔らかい身と口に広がる旨味が特徴のにしん。
国産のにしんのほとんどは北海道で水揚げされており、中でも3~5月に水揚げされるものは”春にしん”として人気を集めています。
この記事では北海道におけるにしん漁の歴史や旬の時期、にしんを使った北海道の郷土料理などを徹底解説。
北海道のにしんについて知りたいという方は必見の内容です。
北海道のにしん漁は江戸時代から始まりました。
ここでは北海道におけるにしん漁の歴史を紹介し、北海道の中でもにしんの水揚げが盛んな地域や旬の時期を解説します。
江戸時代に北海道は蝦夷(えぞ)と呼ばれており、アイヌ民族との交易も行われていました。
蝦夷を治めていた松前藩でしたが、米で知行を与えることができず、その代わりに家臣へアイヌの人たちと交易をする権利と漁業を行う土地を付与。その後、商人へと知行が委託され、見返りとして藩士へ納められた魚がにしんでした。当時は松前藩がにしん漁を独占しており、一般の人がにしんを口にする機会は少なかったとされています。
本格的ににしん漁が行われるようになったのは、明治時代。自由に漁を行うことができるようになり、大規模なニシン定置網が行われるようになります。その後大正時代になると、ニシン粕や身欠きニシン、干し数の子などの加工食品も登場。にしんは日本の食卓で人気の一品として多くの家庭に定着していきました。
現在では国産のにしんを目にする機会は少なくなり、輸入品を目にすることが多くなっていますが、北海道では引き続きにしん漁が行われています。国産のにしんを目にする機会があれば是非一度購入してみて下さい。
北海道でにしん漁が盛んな地域は小樽市です。日本の中でも数少ないにしんが水揚げされる地域となっており、小樽市で水揚げされたにしんはサイズも大きく、見た目もきれいなため人気が高いです。
そんな小樽市のにしんですが、1950年代には水揚げ量が激減した時期もありました。にしんは幻の魚と呼ばれるようになり、水揚げされる魚の大部分がにしんを占めていた石狩振興局管は大打撃を受けます。再びにしん漁を活性化したのは、1990年代後半。にしんの資源増大対策の一環として、16万尾の稚魚放流が実施され、水揚げ量が回復しました。その後、北海道の各地域で合計200万尾以上稚魚が放流され、漁獲規制も定められることで、資源保護に取り組んでいます。今後資源を枯渇させないための取り組みが継続され、国産のにしんを食べる機会が失われないように期待したいですよね。
にしんの水揚げ量が最も多くなる時期は3月です。3月には北海道はもちろん、東京都や青森県でも漁業が行われ、多くの国産にしんが市場に流通します。
北海道では1~5月にかけて産卵のため、にしんの群れが回遊。水揚げ量は年によって異なりますが、この時期のにしんは「春にしん」と呼ばれ、脂が乗って美味しいと評判です。旬の国産にしんを楽しみたいという方はこの時期にお店や通販でにしんを購入するのがおすすめとなっています。
また、北海道では新鮮なにしんを地元の人や観光客に楽しんでもらうためのイベントを実施。「おたる祝律にしん群来(くき)祭り」ではニシン焼きを無料で楽しめたり、旬の魚の即売会も行われるため、気になる方は是非一度春に北海道へ来てみてはいかがでしょうか?
にしんを加工した代表的な料理として有名なのが、糠漬けです。
米糠の味がしみこんだにしんは深い味わいはもちろん、日持ちするということもあり、人気の一品となっています。
そんな糠にしんですが、実は北海道と深いつながりがあるのです。
ここでは糠にしんの歴史について解説し、にしんを使った北海道の郷土料理・三平汁も紹介します。
糠にしんについて気になる方は是非内容をご確認下さい。
糠にしんは北海道が発祥の地となっており、元々は保存目的で加工されていました。
糠にしんの起源は江戸時代。当時は物流の際に船を利用しており、北海道から北陸地方や関西地方までの物流には時間を要していました。そこでにしんなどの魚を長持ちさせるために開発されたのが糠漬け。日持ちする糠にしんは重宝され、全国的に人気が広がりました。
また、当時のにしんは「しょっぱい」味わいが特徴。今となってはしょっぱい味わいが苦手という方も多いですが、当時は夏場の塩分補給や食欲増進、冬場は貴重なたんぱく源として多くの人から愛されていたそうです。その後北海道では糠にしんを使った様々な料理が生まれています。
北海道が起源の糠にしんは、味付けこそ異なりますが、自宅でも作ることができます。
用意するのはにしん、米糠、塩の3つ。まずはにしんを洗い、内臓を丁寧に取り除きます。
次に米糠と塩を混ぜ、水分をふき取ったにしんを全体にまぶします。まぶしたにしんを容器に入れ、1週間ほど保存すれば糠にしんの完成です。用意する材料も少ないため、時間のある方は是非自宅で糠にしんを作ってみて下さい。
糠にしんを使った代表的な北海道の郷土料理と言えば、三平汁です。
三平汁とは糠にしんとともに根菜を煮込んだ汁物。寒い冬の時期に体を温めるのにはピッタリの一品です。三平汁は糠にしんの塩気が強いこともあり、素材の味を活かせるような味付けをする家庭が多い点が特徴となっており、季節によって野菜の種類も変わります。
三平汁の名前の由来は、諸説ありますが、漁師の「斎藤三平」さんという方が作ったため、三平汁という名前になったというものが有力です。
三平汁は作り方が簡単な点もうれしいポイントとなっています。
用意するのは、にしん、季節の根菜、ほんだし(昆布)、醤油の4つ。
ほんだし(昆布)で出汁をとってから、にしんや根菜を食べやすいサイズに切り、具材が柔らかくなったら醤油で味を整えれば完成です。
にしん以外にも鮭などでも料理を楽しむことができるので、気になる方は気軽に試してみ下さい。
この記事では北海道のにしんについて解説してきました。
北海道でにしん漁が始まったのは、江戸時代。1950年代の後半になると、乱獲により、一時的ににしんの水揚げ量は少なくなりましたが、稚魚の放流活動を行ったことで、現在では通販などでも北海道産のにしんを楽しむことができます。
特に北海道の小樽市ではにしん漁業が盛んで、脂が乗った旬のにしんを楽しみたいという方は3月~5月に春にしんを購入してみることをおすすめします。
当店では、脂が乗った北海道小樽産の春にしんの糠漬けを販売しております。小樽前浜であがった新鮮なにしんをその日のうちに加工し、糠漬けに!糠にしんと言えば、塩辛い味が苦手という方もいらしゃると思いますが、当店では「まぶす」製法で優しい味付けに仕上げました。
気になる方は是非下記リンクから糠にしんをお試し下さい。